「熱が出た」となると、あたかも重病になったかのように大騒ぎしてしまう私たち。
すぐに熱を下げようとして必死に解熱に走る前に、知っておきたい
「熱」の大切さについての、5つのお話。


1.鳥が空を飛べるのは、体温が高いからだった!


 鳥の体温は、人間よりもずっと高くなっています。空を自由に飛ぶためには膨大な熱エネルギーが必要となります。これを、鳥は自らの体温から得ているのです。
 鳥の中でも、もっとも体温が高い部類に入るのがスズメ。調査によると、スズメの直腸で測った体温は43度前後でした。スズメがロケットのように重力に逆らってパッと飛び立つためには、それだけの高温が必要なのです。スズメに比べて白鳥は1度低く42度ほど。体が大きいのにスズメよりも体温が低いせいで、そう簡単には飛び立てず、助走をつけてやっと飛びます。
 空を飛ぶためには、最低でも41度以上の体温が必要です。ちなみにニワトリは40度しかありません。鳥なのに飛べないのは、体温がちょっと足りないせいなのです。体を温めればきっと少しは飛べるようになることでしょう!!

2.低血圧の人が朝弱いのは体温が低いため


 人間は空を飛べませんが、活発に歩いたり立ったり座ったり、重力に逆らって動くには、それなりの熱エネルギーが必要となります。
 そのため熱エネルギーが少ない低体温の人は、自然とあまり活動的ではなくなってしまうようです。うなだれた姿勢になりやすいのは、重力に逆らえないため。覇気がなく、気持ちも沈みがち。低体温だと生命活動を作り出す酸素が活発に働かなくなるため、さまざまな病気にかかりやすくなります。
 例えば低血圧の人は朝がよわいといわれますが、原因は体温が低いことにあります。一般に体温は朝、一番低くなるのですが、健康な人なら少なくとも35度以上はあります。ところが低血圧の人は35度に達しないのです。だから血圧も低いし、動くための気力が出ません。時間がたつとだんだん動けるようになるのですが、それは起きて活動が始まるにつれ、体温が少しずつ上がってくるおかげなのです。

3.体の中は、いつも「微熱」


 ひとくちに体温といっても、測る時間や場所によって実は数値が違ってきます。
 体の中でも脳や内臓があるからだの深部は体温が高く、わきの下で計測された体温にプラス1度が目安。つまり健康な人の深部体温は37.2度ということです。体の中はいつも微熱でOKなのです。

【体温を測る場所と平熱の目安】
舌 下 36.5〜36.7℃
わきの下 36.2〜36.3℃
直 腸 36.5〜36.7℃
深部体温 37.2℃

4.冷えは、熱を逃がさないための防御反応


 低体温になると、体は「冷え」を感じます。そのとき体表面の血管は収縮し、毛穴が閉じます。こうして放熱しないよう調節し、深部体温をなんとか維持しているのです。
 「冷え」が続くと逆に火照ることがあります。これは深部が冷え切り、熱が逃げているため! 「冷え」の赤信号です。

5.熱エネルギーが上がれば免疫力もパワーアップ


 寒いときに風邪をひきやすいように、病気になるときはたいてい体温が低くなっています。体温が1度下がると、免疫力は6分の1になるともいわれます。それくらい体温と免疫力の関係は密接なのです。体温が低いと腸では悪玉菌が増殖し、腸独特の免疫細胞も働かず、ますます病気にかかりやすくもなります。
 でもいったん感染症は風邪になると、今度は40度近い高熱が出てきます。病気と闘うためです。体温が上がるとリンパ球が増え、体は戦闘状態に突入。闘いの最中は多くのエネルギーを消耗します。負担がかかり、つらい症状も出ます。しかし体を温めて安静にしていれば、いずれ闘いは終わります。風邪ぐらいだったら免疫力で楽勝です。
 それなのに解熱剤などで勝手に熱を下げてしまうとウイルスと闘えません。熱は風邪を治すために必要な治癒反応なのです。間違った解熱剤の利用が、かえって病気を長引かせる原因かもしれません。


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