水と健康フォーラム

海洋深層水と健康の新しい可能性を考える
6月9日(水)東京紀伊國屋サザンシアターで、「水と健康フォーラム」(主催/読売新聞東京本社広告局、後援/日本栄養士会)が開催されました。ミネラル不足が指摘される現代人の食生活。特にマグネシウム不足が心臓に悪影響を及ぼすとされています。そんな中、マグネシウムを豊富に含む飲料として注目が集まる海洋深層水についての最新情報が聞けるとあって会場には大勢の人が詰めかけました。そして、海洋深層水と生活習慣病の臨床的な研究結果をはじめ、ミネラル、マグネシウムの上手なとりかたなど、内容豊富な話に熱心に耳を傾けていました。

基調講演 
  生活習慣病予防に期待される「海洋深層水」の新たな役割
中性脂肪や血糖値の低下、ストレス軽減や
心機能改善による突然死対策など

マグネシウムの多彩な働きに注目

生活習慣病とマグネシウムの深いかかわり
 糖尿病をはじめとする生活習慣病が増えています。特に高脂血症、高血圧など動脈硬化がもたらす血管病が課題となっています。その原因として偏った食事やストレス、運動不足が指摘されていますが、ミネラル不足にも関心が高まっています。ミネラルは、ビタミンと共に体の機能を維持するなど重要な働きを担っていますが、体内では合成できません。ところが現代人の食生活は、たんぱく質、脂肪などの取りすぎで、一部のビタミンと共にミネラルが慢性的に不足しています。
 ミネラルの中で、血管病の引き金になるストレスや心臓病と深くかかわるのがマグネシウムです。そこで注目を集めているのがマグネシウムを豊富に含む海洋深層水。海洋深層水はミネラルが豊富で、人間の血液のミネラル組成によく似たバランスで含まれています。水深200m以下の深層の水は表層の水と混ざらないため汚染の心配がない。光も届かないため雑菌もなく非常に清浄性が高いのが特徴です。
 このようなことを踏まえ、タケダライフサイエンスリサーチセンター(京都市、木村美恵子所長)と共同で、海洋深層水のマグネシウムを飲料として摂取する臨床試験を行ったところ、私自身も驚く結果が出ました。

代謝を改善し中性脂肪や血糖値が正常値へ
一つは血中中性脂肪と血糖値の測定試験です。代謝が改善され、血液中の中性脂肪の値や血糖値がほぼ正常値まで低下しました(図1)。脂肪を代謝する酵素の働きがよくなり、肝機能の改善もみられました。



血中中性脂肪の低下作用
飲用前に190mg/dリットル以上あった被験者の血中中性脂肪(平均)は、飲用後150mg/dリットル台に低下した。個人別にみると、正常値(150mg/dリットル未満)を上回っている被験者のほとんどが目立って低下した。なお、データは統計学的に意味のある差を示している。

図1 血中中性脂肪の低下作用
 出典:タケダライフサイエンスリサーチセンター所長木村美恵子先生との共同研究による

自律神経を調節し抗ストレス作用
 二つ目は自律神経の調節作用評価試験です。自律神経の調節がうまくいき、抗ストレス作用のあることがわかりました。自律神経は交感神経と副交感神経からなりますが、ストレスがかかるとこのバランスが崩れ、体内の各器官の機能に不調を生じます。この状態が続くと生活習慣病の要因にもなります。海洋深層水は交感神経の活動を抑制し、緊張が緩和される。また、副交感神経活動の亢進傾向もみられ、生活習慣病の予防にもつながります。

心機能を改善し突然死への対策に期待

図2 被験者全体の安静時の心電図RT間隔
 出典:タケダライフサイエンスリサーチセンター所長 木村美恵子先生との共同研究による
三つ目は心機能改善効果評価試験です。突然死対策として心臓の機能を改善して、健康な状態を維持できるとみられる結果が得られました。
 ストレスが高まると、心臓に指令を送る副交感神経の働きが悪くなり、リズムが狂って不整脈の要因になる。これを防ぐには心臓ポンプ機能の素早い回復が重要。海洋深層水を飲んだ人の心電図の波形解析では、心機能の回復速度の指標であるRT(間隔)が短縮しました(図2)。心臓の筋肉の回復が促進され、不整脈などによる心臓突然死対策には有効といえます。



心機能の改善作用
RT(リカバリータイム、間隔)は、コンピュータ解析を応用し、心臓が収縮しもとの状態に回復するまでの間隔を計測したもの。
msecは1000分の1秒(ミリ秒)。データは統計学的に意味のある差を示している。

マグネシウムなどミネラルをバランスよく含む海洋深層水
 なぜ海洋深層水がよい結果をもたらすか。研究途中ですが、採血検査でリンパ球中のマグネシウム濃度が有意に上昇しており、細胞内のマグネシウムが増加することで、体の代謝が亢進するのではないかと考えています。
 自然が育んでくれた海洋深層水を利用した飲料はミネラルをバランスよく豊富に含み、マグネシウム摂取に最適です。生活習慣病を予防するうえでも、期待できる飲み物ではないかと思います。
臨床試験概要
被験者 40代を中心に21人。
実験に使用した
海洋深層水
海洋深層水100%使用タイプの市販飲料
 (ナトリウムを限りなく除去したもの)
方法 1日1.5リットルを5週間かけて飲用。
飲用前後の血圧、心電図、血液を分析。

パネルディスカッション

企画・製作 読売新聞東京本社広告局
(読売新聞 2004年7月3日より)

戻る/HOME