パネルディスカッション
 毎日の水を考える
  現代人はマグネシウム不足
■パネリスト
 森谷敏夫
 京都大学大学院人間・環境学研究科教授
 竹内冨貴子  管理栄養士
 高樹沙耶    女優
■司会・コーディネーター
 関谷亜矢子   フリーアナウンサー

不足しがちなマグネシウムを気軽にとれる海洋深層水
健康なカラダは、天然のミネラルバランスが基本に

食の欧米化や欠食が不足のもとに
1日に300mgはとりたいマグネシウム
関谷 森谷先生のお話でマグネシウムの働きにびっくりしましたが、みなさんが敏感なビタミンやカルシウムに比べると、認知度は低いですね。
高樹 私はフリーダイビング歴約5年になりますが、海の持つエネルギーを実感している一人です。粗食などで体質が変わり、生活もすっかりナチュラル志向になったんですが、マグネシウムのことは知りませんでした。
竹内 マグネシウムはカルシウムと並んで日本人に不足しやすい栄養素です。大豆、穀物、ナッツ類、海草、魚など和の食材に多く含まれていますが、肉中心の欧風志向や調理に手間がかかるなどで食べる人が少なくなっていますね。それに3回の食事を1回抜く欠食が20代の男性で40%、女性で30%もいます。これではマグネシウム不足になりますね。30代・40代女性にも不足している人が多いんです。
森谷 糖尿病患者さんにも、マグネシウム不足の方がとても多いんです。私は運動療法を行っていますが、「筋肉がつる」という訴えをよく聞きます。
バランスよくとってこそ活かされるミネラル
関谷 加工食品やインスタント食品の影響もあるようですね。
竹内 加工すればするほどマグネシウムは減ってしまいます。そもそもミネラルはバランスよくとってはじめて体内で活かされる。骨粗しょう症などで関心が高いカルシウムもマグネシウムがないと効率的に働いてくれません。2対1の割合でとる必要があるでしょう。日本の水はミネラルが少ない軟水ですし、食材自体に昔のような力がなくなってきたのも、ミネラル不足に関係しているようです。
関谷 マグネシウムの1日の必要量は約300mgとか。不足分は約30mgだそうですが、食品でとるとしたらどのくらいですか。
竹内 アーモンドなら15g、片手に1杯分。ワカメならドン杯分ですね。脂肪の取りすぎや吸収しにくい食品もあるので、すべてとるのは難しいでしょうね。
海洋海洋深層水は塩分カットで
マグネシウム豊富な100%がおすすめ
関谷 そこで注目を集めているのが海洋深層水ですね。
森谷 今回の海洋深層水の研究結果で、改めて水の力、海洋深層水の魅力を感じました。
竹内 体内には約300種の酵素があって、糖質の代謝など多彩な役割を果たしていますが、そうした働きを助けてくれるのですね。
森谷 はい。私は肥満が専門ですが、食欲や脂質代謝などは脳の自律神経でコントロールしているんですね。海洋深層水には、この自律神経の働きを整える作用があるのです。われわれ生物の起源は海ですが、その時代の機能がちゃんと体内に受け継がれている。それが人間の血液で、その組成バランスは、海のミネラルとほぼ同じなんです。これを人工的に合成するのは非常に難しい。
高樹 私は海に潜っていると必然的に鼻腔が洗浄されるんです。そのお陰で花粉症もなくなりました。海はすごい浄化作用があります。
森谷 深海にすむヒラメは、3ヶ月ぐらい早く成長するという報告もあったそうです。
関谷 まさに選ばれた水ですね。
森谷 サプリメントなどでミネラルをバランスよくとるとなると幾つも飲まなくてはならない。海洋深層水なら1回で非常に体の中の血液に近い、しっかりしたものがとれます。
関谷 最近は海洋深層水100%で塩分がカットされているものも出ていますね。
竹内 それはおすすめです。お米なども海洋深層水で炊くと非常においしい。肉料理などもとても柔らかくなります。ミネラルは加熱しても壊れることはないのでいろいろに利用できます。カロリーもないので太めの人も安心して飲めます。
高樹 とにかく、普通のお水のように飲めるのがいいですね。
深層水中のマグネシウムは水溶性で吸収効率も抜群
竹内 私たちの体を構成する60%近くは水です。生命維持はほとんどその水を介して行われている。食べ物にしても水が溶かして栄養素を吸収。排泄にしても水で溶かして出しています。ホルモンや酵素もみんな水に溶けることで働いています。水と水溶性ということはとても大事ですね。血液も水分が不足すると流れに影響してきます。
関谷 私たちは1日にどのくらい水を飲んでいるんでしょう。
竹内 2.5〜2.6リットルぐらいほど。野菜などは90%水分です。それに、日本人はどんな料理にしてもたくさん水を使います。こんな国はよそにはありません。海洋深層水に含まれるマグネシウムはとても水溶性に富んでいて、吸収効率がよいのも特徴です。
「にがり」に比べ、人の血液にいちばん近く
優れたミネラル組成と清浄さが特徴
関谷 ところで最近は、ミネラルを含む飲料やサプリメントが数多く出回っています。どんなポイントで選べばいいでしょう。
竹内 健康食品として「にがり」が注目されていますが、海水を煮詰めて塩を除いたもので、海洋深層水と同じ成分といえます。しかし、排水も混合している表面に近い海水から作られているものもあり、ビリビリして刺激も強い。これに比べ海洋深層水は、深いところから採取し、最新の技術で生成されますから、汚染物や雑菌もなく非常にクリーンで安全です。
森谷 海洋深層水は、ミネラルが豊富なだけでなく、非常にバランスがよく体に吸収されやすいのだそうです。
竹内 500mlサイズ1本で30mg以上のマグネシウムが含まれている商品もありますから、不足分は十分い補うことができます。これからの季節、水分を補給することがとても大切になりますが、海洋深層水はおすすめですね。
海に囲まれた島国日本に感謝
関谷 改めて天然の恵みの素晴らしさを感じますね。
高樹 私は最近地球って本当に美しい星だなと思っています。こうしたお水をいただくということは、その海を汚してはいけないと思うことでもある。自分と地球のつながりを感じる、そんな気持ちをこめて飲んだら、もっとすてきだなと思います。
竹内 今は食生活、ストレス、過労など、体が酸性に傾きやすい状況なんですね。酸性になると老化が早く進みます。人間の体は中性か弱アルカリくらいのほうが長生きできる。あくまでも食を中心にとってほしいですが、マグネシウムはアルカリですので、その点でもいいですね。
関谷 水はすべての基本ですね。
森谷 私がもう一つ感心したのは、海の深層の水を精製し、塩分を限りなく取り除いて飲み水に変えたという技術です。日本は水が豊富ですが、世界では水が飲めないところもたくさんある。その技術で、肥満や高脂血症で悩む先進国の人などを助け、健康と平和に貢献できればいいなどと思っています。
関谷 海洋深層水は広大な海の深層部に存在し、その量はかなりな数字になります。海に囲まれた日本は資源は豊富ですし、海洋深層水やマグネシウムの研究についても、今後進んでいきますので、美容などいろいろな可能性がありそうですね。

主催 読売新聞東京本社広告局
後援 日本栄養士会

企画・製作 読売新聞東京本社広告局
(読売新聞 2004年7月3日より)

基調講演

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